物件査定・業務ツール集約プラットフォーム
課題
物件の賃料査定は周辺環境調査や市場分析に時間がかかり、担当者の経験や感覚に依存する部分が大きく査定結果にばらつきが生じていた。 また、見積もり作成や外部情報の収集、蓄積されたサービスの実績データや独自の計算ロジック、外部フォームとの連携といった周辺機能もそれぞれ独立したツールとして分散していたために個別対応になっており、業務フローの工数が肥大化していた。 数量としてはツールが10つに分散していたが、検索履歴のMAP可視化やその他サービスマップ表示、業界ニュース一覧や業務で使用する資料一覧なども加え、一つのプラットフォームとして統合的に解決する必要があった。
導入後
【第1フェーズ】 【Python/Streamlit環境】 緯度経度を入力すると周辺環境を取得し分析、ランク判定により賃料を自動算出する簡易プロトタイプとして開発。独自規格の寸法計算、外部フォームサービスとの連携なども個別機能として実装し、業務効率化としての有効性を検証。導入・改修のスピードは速く仮説検証には向いていたが、認証基盤やデータベース設計が簡易的で、利用者数の増加とともにスケーラビリティとセキュリティ面の限界が見えてきた。 【第2フェーズ】 【Vercel環境への移行】 Next.js+Vercelへ移行し、フロントエンドとバックエンドを統合したモダンな構成に刷新。デプロイの自動化やレスポンス性能は向上したものの、セキュリティ面の懸念や地図データの空間検索や大量データのバッチ処理など、サーバーレス関数の実行時間・リソース制約に収まりきらない処理が増え、より柔軟なインフラが必要になった。このタイミングで業界ニュース一覧やマップ表示、資料一覧表示の導入検証が行われた。 【最終フェーズ】 【GCP環境】 Google Cloud Run + Cloud SQL(PostGIS)を用いたシステムへ再構築。空間データはPostGISでインデックス化した検索に置き換えて高速化し、認証・権限管理、操作ログ、管理者向け監視画面なども整備。複数拠点・複数ユーザーでの本格運用に耐えられる体制を実現し、インフラコストと処理能力のバランスを見ながら段階的に対応機能を拡大している。
導入による変化
業務ごとの所要時間の変化(バーの長さは各業務内での比率)
見積作成(1設置場所あたり)
月100件で約16時間以上の削減月100物件以上を提案
物件査定(通常時)
約70%短縮金額マトリクス表 → 細かいロジックによるフロー化
物件査定(社内検討が必要なもの)
最大で丸1日 → 数時間へ上層部と現場の折衝が頻発していた案件
規格寸法計算
約83%短縮順番待ちの解消(ユーザー単位で操作可能に)
維持コストの削減
規格寸法計算はスプレッドシートが壊れやすく、復旧時には複製していた10枚のシートを手動で直す必要がありました。 専用ツール化により、この保守作業そのものが不要になりました。